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6月病とは? 「5月病」って聞いたことがありますよね。4月から学校や職場などが変わり、新しい人間関係や環境にストレスがかかり、5月のゴールデンウィークが過ぎたころに、無気力になったり、学校や職場を休みがちになったりということです。同じように最近では「6月病」という言葉もあるようです。概念的には5月病と同じですが、同様な症状が社会人では6月に多く、6月病と言われています。6月に多い理由は、新人教育の期間が長くなっている傾向で、そこから現場にでるのが遅延し、6月に入った頃に蓄積された疲労やストレスが表面化するためです。6月は12カ月の中で唯一土日以外の祝日がない月だというのもあるかもしれません。 5月病・6月病は精神的な症状だけでなく、食欲不振やめまい、動悸など体の不調を訴える人も多く、新しい環境の変化についていけない焦りやストレスによるもので、医学的には「適応障害」と診断されます。 そもそもストレスとは、外部からの刺激を受けた時に生じる緊張状態のことです。外部からの刺激には、天候や騒音などの「環境的要因」、病気や睡眠不足などの「身体的要因」、不安や悩みなどの「心理的要因」、そして、人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの「社会的要因」があると言われています。ストレスがたまると精神的症状、身体的症状が現れ、仕事のパフォーマンスも下がりますし、延いては休職・離職の原因にもなります。 2015年12月からは従業員数50名以上の企業では、ストレスチェックが義務化されました。企業は、定期的にストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレス状況について気づきを促します。そして、メンタルヘルス不調のリスクの高い者には、医師による面談指導の機会を与えます。病院等でストレスチェックをやっているところもあるでしょう。(50名未満の企業では、努力義務) これは、ストレスをチェックをするのが主目的ですが、ストレスは自分自身で発散することが大事です。これをセルフケアといいます。皆さんはストレスとうまく付き合えていますか? 理学療法士のストレス対策はストレスを知ること? ストレスマネジメントという言葉を聞いたことがありますか? ストレスマネジメントとは、ストレスを自分で“コントロール”することです。 上でも書きましたが、ストレスは外部からの刺激なので、ゼロにすることはできません。またストレスは悪いことばかりではなく、程よいストレスは自分自身の成長につながります。例えば、大学入試や国家試験のための受験勉強はストレスとなりますが、忍耐力や集中力などの成長の観点からは、必要かもしれません。しかし、その度が過ぎると燃え尽き症候群や拒絶につながります。そのため、コントロールが重要です。コントロールをするためには、ストレスに対する理解をする必要があります。 ストレスには環境的要因、身体的要因、心理的要因、社会的要因があると言われており、その原因によっては対策も変わります。人間関係など社会的要因では周りの人に相談したりすることが重要ですが、花粉症や梅雨の時期など環境的要因の場合、周りの人に相談しただけでは解決できないでしょう。また多忙で睡眠時間が短いなどの場合は、どこかで休養日を設けて、睡眠時間を確保することが必要となるでしょう。このように、ストレスマネジメントをするためには、ストレスについて知り、自らにかかっているストレスの種類・原因を知ることが大事になります。 その方法として、ストレスに感じていることを書き出すのも1つです。頭にずっとストレスが残っていると、常にそのことを考えてしまったり、堂々巡りして自分を責めたり、否定するなど、自分自身を傷つける負の連鎖に陥ってしまいます。紙にストレスを書き出すことで、ストレスを可視化することができます。可視化することによって、自分自身の気持ちやストレスの内容を自分で認め、知ることで“認知”することが大事となります。ストレスを客観視でき、一旦頭から切り離すことができるでしょう。 またストレスを知るというのは、自分自身のストレスに向き合うだけでなく、ストレス、メンタルヘルス、アンガーマネジメント、心理学など関連する考え方などを学ぶこともストレスを客観的にみることができるようになるためには必要でしょう。そういったキーワードの本はたくさん出ているので、読んでみるのもよいと思います。 自分自身のストレスを認知して、原因などがわかれば、対策をたてたり、発散しましょう。あなたのストレス発散方法は何ですか? 私のストレス発散方法5選 参考になるかわかりませんが、私のストレス発散方法をご紹介します。 1.たくさん寝る 当たり前と言われてしまうかもしれませんが、睡眠をしっかり取って体を休めることは重要です。普段から、規則正しく、睡眠時間を確保することが一番大事ですが、学会発表や論文執筆、その他忙しくなってくると睡眠時間を削りがちになります。ストレス発散として仲間と飲みに行くこともよいかもしれませんが、連日遅くなるより、休日を設けて睡眠負債を解消するべく、たくさん寝る日を作っています。それでも、寝すぎると生活リズムが崩れるので注意が必要です。ほどほどに。 2.旅行に行く これも皆さんやっていることだと思います。私も旅行は大好きなので、国内・海外ともに旅行に行き、非日常を味わい、現実世界の仕事や人間関係を一旦忘れることはいいことだと思います。私は旅行先でプチ贅沢をするようにしています。旅行先でおいしいものを食べたり、少し高めのホテルに泊まったりとプチ贅沢することで、自分にご褒美を与えることにしています。注意点としては、私もやりがちですが、旅行先でスケジュールをぎっしり詰めすぎないようにすることです。折角の旅行だからだといって、あそこも行って、ここも行ってとなると旅行から帰ってくると余計に疲労してしまうこともあります。のんびりとした日程をおススメします。 3.スポーツを楽しむ 運動がストレス発散に有効なのは皆さんもご存知だと思います。適度な運動は、脳内ホルモンのエンドルフィンが分泌されます。このエンドルフィンは幸福感をもたらすことが知られています。 健康の観点からもスポーツ・運動することは大事です。私は、フットサルを仲間や職場のメンバーとよくやっています。運動のなかでもランニングなど一人でやるスポーツよりも、みんなで楽しむことができるスポーツであれば、運動の効果に加えて、友人と話したり、ゴールが決まれば一緒に喜んだりと、ストレス発散効果は倍増すると思うので、おススメです! 4.温泉・銭湯・風呂に入る 家のお風呂もいいけど、やっぱり温泉でしょう! 温泉地に行くほど時間を簡単に作れない場合には、近所にあるようなスーパー銭湯でもよいと思います。 私は、学会発表など一仕事終わった時には、スーパー銭湯でゆっくりすることを意識的にやっています。のんびり足を延ばしてお湯につかれば気分もリフレッシュできると思います。 毎朝職場に行くのが嫌だった知人は、朝、自宅の湯船にお湯を張って5分風呂に漬かるだけで気が落ち着くと言っていました。 5.マッサージをうける 普段、医師の指示の下、患者さんを治療したり、マッサージを実施しているセラピストは多いと思います。そんなセラピスト自身もたまにはマッサージを受けたり、リラクゼーション施設でボディケアなどを受けることをお勧めします。 私も理学療法士を隠して、リラクゼーション施設をよく利用します。たまに「そこのコリはどうしたらいいですか?」なんて聞いてみたり(笑)。上で書いた、温泉と併用して、温熱療法をして、筋緊張を緩和してからのマッサージの流れはさらに効果的だと理学療法士だからよくわかっています。 その他にも、座禅を組みにお寺に行ったこともありますし、アロマテラピーのようなリラックスするようないい香りを部屋で嗅ぐことも好きです。って「どれだけストレス溜まっているの?」という感じですが、私はこのような方法でストレスコントロールしています。 最後に ストレスとその発散方法について書いてみました。ストレス発散方法は人それぞれだと思います。原因によっても違うでしょう。大事なのは、趣味・自分の好きなことに熱中・没頭することでストレスの元から意識をそらすことだと思います。ストレスマネジメントをしてうまくストレスと付き合いましょう。決してストレスは悪いことばかりではないです。 |

